ゴムの成型品について
- 設計時の注意点を知りたい
- 寸法公差を知りたい
- 費用・納期を知りたい
身近に多く存在するゴムの成型品ですが、私の場合、設計しても手配する機会があまりありませんでした。
なぜなら、金型費が高いということで検討途中で断念させられることが多いからです。
実際に金型費が高いかというと、金型品にしてはそこまで高くないと思うのですが、ゴムって意匠面ではなく、パッキン部や防振等のサポート的に使用される場合が多いので、そんな部分にそんなに費用がかかるのか的なイメージを持たれるようで、代替え案を検討せよって、敬遠されることが多いです。
そんな背景もありますが、やっとゴムの成型品を頼む機会がありましたので、私が設計時に悩んでメーカーさんから聞き出した注意点や公差等を公開したいと思いましたので、ぜひ参考にしていただけると幸いです。
止水目的で使用する場合は潰し量を確認する
パッキンやガスケットのように止水目的でゴムの成型品を設計する場合、ゴムの潰し量は10~30%が適正と言われます。
なので、ゴム成型品の公差、接触相手の公差を確認してゴムの潰し量が10~30%に入るように設計しましょう。
メーカーさんに確認した内容ですが、公差を考えないと、初期で問題なくても、経年変化に伴い問題が生じてくるとのことです。
寸法公差について
ゴム成型品は成型時の調整や保管時の膨張収縮により形状の保持が難しいとのことで、やはり樹脂成型品と比べると感覚的に公差は大きいです。
下記は私がメーカーさんと詰めたときの図面の公差になりますが、ここまでは公差が詰めれるといった感じで、参考にしていただけると幸いです。

※図面の説明
・図は円状のガラスをはめられるようになっておりガラス保護する目的で作成した図面です。
・12mm、4.1mmの部分が特に大事でしたので、公差を詰めてもらいました。
金型費・納期について
金型費は、さきに述べたように成型品の金型と考えると安価です。
上図のサイズ感でメーカーさんにより得意・不得意があるのかバラバラでしたが、30万~40万でした。
しかも上図では金型にスライドを入れる形状になっているため、若干高くなっていると思います。
納期については、メーカーさんにより様々ですが、「金型製作からT1試作まで:1ヶ月」の回答が多いです。
樹脂の成型品よりは早いイメージです。
まとめ
ゴム成型品は、公差も大きく設計時の判断が結構難しいです。
なので、潰し量を守ることを第一に考えて設計しても良いのではないかと思います。
また、ものが出来上がった場合の寸法検査においても、
上図ようなものだと、内径や外径寸法が測りずらいので、別途治具を準備する必要があります。
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